ストーリー

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ビジュアル

ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』相関図

時の流れからはみ出したような不可思議な近未来の街ヴェローナ。
街に漂う不穏な空気は、長く激しく互いを憎む二つの名家、モンタギュー家とキャピュレット家の争いによるものだ。
統治者である大公さえ、この諍いの火を鎮めることはできない。

若者たちは憎しみをあらわにし、街のあちこちで常に小競り合いが起きている。
ベンヴォーリオとマーキューシオはモンタギュー家の旗頭。
キャピュレット家を率いるのは、触れただけで相手を斬りかねないティボルト。
一触即発の街を、「死」を司るものが無感情に眺めている。

荒れてゆく人と街を見かねた大公は、治安を乱した者に厳罰を与えると宣言。
だが憎しみが薄らぐ気配はない。

モンタギュー家には、争いを好まぬ一人息子ロミオがいる。
キャピュレット家にも同じく一人娘のジュリエットが。
ロミオは友情に厚いが、孤独を好み一人で過ごすことが多かった。
ジュリエットは複雑な家庭に育ちながらも、純真無垢な心を持つ乙女だった。
二人はまだ見ぬ恋人、真実の愛をもたらしてくれる誰かを無意識に求めている。
互いの存在を、二人はまだ知らない。

そんな折、キャピュレット家をパリス伯爵が訪ねて来る。
ジュリエットを見初めた伯爵は彼女との結婚を望み、代わりに家の借金の肩代わりを申し出る。
初心な娘の心を動かすためにと、キャピュレット卿は仮面舞踏会を計画。
そこで伯爵からさりげなく口説くようにと一計を案じる。
結婚の申し込みがあったことを告げられ、ジュリエットは取り乱すばかり。

外の世界ではモンタギューの若者たちが仮面舞踏会を知り、潜り込んで騒ぎを起こす計画を練っていた。
気乗りのしないロミオも、結局は皆の諌め役としての同行を承知する。

けれど、舞踏会で予期せぬことが起こる。
会場を彷徨うロミオとジュリエットが出会ってしまったのだ。
仮面で顔を隠した相手が誰なのか、二人はまだ知らない。
けれど知らぬまま、恋に落ちてしまう。

長い争いの歴史も若い二人には関係なかった。
人目を忍んだバルコニーでの告白。
ロレンス神父を介して行った秘密の結婚式。
愛は疾走し、両家の間にうがたれた深い溝を軽やかに飛び越える。

だが、永遠の愛を誓う二人の魂を見つめるのは「死」の姿。
運命は誰も望まぬ行く先へと、歯車の回転を速めていく。